水道検針日記(199Y年2月23日)~団体交渉の申し入れ

今日は今月最後の検針日だ。最終日はいつも数が少ないのと昨夜夜更かししたので、今日は12時過ぎに出勤。合計180件しかないからね。初めはH町のマンション。

その前に役所で飯を食った。コロッケ定食440円。検針はいつも通りに軽く終わり、4時頃帰社。今日は春のように暖かかった。明日の再調で今月の仕事は終わりだ。ウレシイな。

会社に戻ったら二人ほどの検針員に組合の話した。オルグだ。オルグといっても組合が検針員にもあって、3月の契約更新(検針員は毎年会社と1年間の契約を結ぶ。その際、賃金のことも決められる)に向けて動いていることを話した。

労働組合にはあまり関わりたくない人が多いので、実際に活動に加わることにはあまり期待していないが……。オルグする前に一緒に飲みに行ったりして関係ができていないと、なかなか活動には加わらないらしい。組合活動なんかやると会社から圧力がかかる可能性が高いからね。いじめられたり、いやがらせを受けるのは恐いしな。

いやがらせはこの会社ではないと思うが。参考までに以下に「要求書」を掲載します。これは委員長の頼みで僕がワープロ打ちしたものだ。これを今日会社に提出したらしい。

 

組合発 63号)                                                                          199Y年2月23日

 

要求書

 

株式会社******

社長 **** 殿

**一般労働組合

*********分会

執行委員長     A畑 K信

 

新年度検針員の賃金及び労働条件に関して、以下の通り要求するとともに、団体交渉の申し入れを行います。

 

 

 

1.検針委託料の内、隔月検針の単価を以下のように引き上げて下さい

 

①平場住宅

     1件~2400件まで…………37円を40円にアップ

2401件~4800件まで…………40円を43円にアップ

4801件以上…………………… 44円を47円にアップ

②中高層住宅………………………32円を35円にアップ

主旨

9*年(平成*年)新隔月検針移行にともなう検針業務の効率化により水道局との委託契約単価は約14%の値下げにもかかわらず、会社側は基準件数(1冊の平均件数)が「4検123件」から「隔検160件」になったことを算定根拠として(すなわち、検針が「三割増し」早くなったとして)検針員の賃金を約25%も値下げを行い、検針員から約10%もの賃金を余分に削減されました。

また、昨年度は、労働交渉において2400円の賃上げを妥結したにもかかわらず、一ヶ月も後になってから誤針を中心とした報償金制度を一方的に導入し、妥結額を反故にし、賃下げを強硬し、同時に、団体交渉権を形骸化し、労使対等の原則を無視したやり方は許せません。

会社側はこうした強行的なやり方を正当化する理由として不況を挙げていますが、**年の不況以来、会社の収益は落ち込んでいるのでしょうか。

このように会社側は「三割増し」へ労働強化や二度にわたる賃下げによって検針員の労働条件を悪化させておきながら、その上、さらに誤針の防止、基準内漏水の発見(わずか1件37円の保障)などの諸指示や、果ては4時帰社の指示など次々と出しています。最近の会社のやり方は経営者側の利益ばかりを優先させているように見えてなりません。

会社は、住民へのサービスとその仕事を最前線で担っている検針員の待遇を本当に改善しようと考えているのでしょうか。

 

以上、納得いくように説明していただくとともに、以上の理由で上記の通り検針単価の引き上げを強く要望します。

尚、事務パート、ビラ配布の賃金も引き上げてください。

 

 

2.検針員、事務パートに年次有給休暇を付与してください

主旨

**年10月労働組合結成以来、年次有給休暇に関し、双方の話し合いによって解決すべく今日まで要求し続けてきましたが、会社側は、検針員は「委託」(民法643条に基づく委託契約)であるからという理由で拒否し続けてこられました。

私達検針員は、各出張所の所長を通じ、常日頃、検針業務の内容と遂行方法について、また、検針時間(最近では現場から4時に帰社するよう指示が出された)について、更に厳しい悪天候下(1月の大雪など)の中での検針の指示等々こと細かに会社の指揮命令を受けて検針業務に従事させられている労働者です。

にもかかわらず、検針員を「委託」とし、検針業務を「自己の裁量で自由に処理できる」(委任契約の特徴)個人事業主であるかのように言いつくろって、健康診断、雇用保険など社会保険の要求などをことごとく拒否されてきました。しかしこれは全くの言葉のスリカエであり、労働法で認められた、より人間らしく働き生活していくことができる諸権利を検針員から奪うものです。

 

上記の要求について、団体交渉を行いたく申し入れます。

日時: 3月/9日(月)、11日(水)、13日(金)、16日(月)、18日(水)

のいずれかの都合のいい日。午後6時より2時間程度

 

場所:住民センター若しくは、その近辺の公民館

 

団体交渉の日時は2月27日までに回答してください。