水道検針日記(199Y年12月7日)~冷たい雨の中の検針は・・・

今日は朝から夕方近くまでずっと冷たい雨が降っていた。朝なのになんだか午後4時みたいに空が暗い。今日の現場は、合計360件の上に片方の冊が川沿いのよく歩かねばならないところなのだ。

雨といっても季節やその激しさの度合いによって検針に大いに影響の仕方が違うが、今日は最高気温が10度までしか上がらない寒さの上に、平均的な強さの雨だったのでけっこうこたえた。

夏の雨は不快指数が高まってイライラするだけなのに対し、冬の雨は寒くて冷たいので体力を奪うし、手がかじかんでしまう。

9時半頃出勤して、長靴に上下カッパを着て出発。初めの冊はU町。220件。ここは、夏に2時間という驚異的なペースで終えたアパートが多い地域だが、今日は2時間半かかった。理由としては、カッパを着ることによって体の動きがかなり鈍くなる(重いということと、体の幅が広くなるので)のと、フードをかぶると視界が狭くなってやりにくいことがある。

あと、今月は臨時の「水道ニュース」というものを配らねばならないのだ。カラーのペラペラの紙なのだが、これが300~400枚ともなるとけっこう重い。これを配ると、一枚につき1円50銭。

この「水道ニュース」を配布しても水道局からは手当て出ないということで、初めは検針員にもタダで配らせることを検討したらしいが、それではあまりということで、いくらかでも手当てが出るようになったらしい。

会社側は、水道局からは金が出ないのだが……ということを妙に検針員に強調していたが、誰がタダでそんなことをするものか。やれって言ったってみんなシカトすると思うよ。やる義務なんかないんだから。

ところで、**周年ということで、水道局としては何らかのイベントをしないわけにはいかないのだろうが、せっかく全部の家庭にああいうパンフを配ったところで、水源地がどうのこうのという退屈なものを一体どれだけの人が読むのだろうか。お客さんの中には、今年下水道代が上がったわけだし、こんなものを配るよりは料金をいくらかでも安くして欲しいという人もいた。それで、その「水道ニュース」を特に雨の中、配るとなると非常に面倒くさい。

U町の現場を1時近くに終えて、金曜に検針したW町へ。移動の間、自転車に乗りながらパンを食べた。今日は特に休憩がなかったので、パンを三つとも自転車に乗りながら食べた。

再調査を済ませて、次の現場のO町へ。ここは、数は150件と比較的少ないが、川沿いの低地という洪水危険地帯なので家の密度が低いため、長い距離を歩かねばならないのだ。検針している途中で雨はやんだが、予想していたより今まで時間がかかっていたため、急いで検針した。

でも、急ぐとミスが多くて余計時間がかかったりしてね。知らないうちに家を一軒飛ばしていて、妙に今回は通常より極端に増減がある家が多いなと思いながら、気づくのに5分くらいかかった。我ながらアホだ。暗くなると検針しずらくなるので、家と家の間が5,60m空いているところはえっさえっさと走った。検針して走ったのは、ほとんど初めてだ。頑張ったせいか、4時過ぎに全部終えることができた。それから、ゆっくりと広い公園の中を濡れた落ち葉を踏みしめながら帰社。

会社に着いたのは4時半頃で、すでにかなり暗かったが、全体の7割以上の人はまだ帰ってきていなかった。5時近くになって皆次々と戻ってきた。同僚のP氏は、相当疲れた様子だった。P氏は、仕事中にすご~くおしるこが飲みたくなり、自動販売機で買おうと思ったが、札しか持っていなくて、しかしその機械はコインしか受け付けないタイプのものだったので買えなかった。

それで頭にきてバカヤロウとか何とかずっと文句を言っていたんだそうだ。彼はいつも温厚で、一体この人は怒ることがあるのかと思わせる人なのだが、こういう天気が悪くて負担がかかる日は、どこにも持って行き場のない怒りがたまるものなのだ。だから、皆さん、天気が悪い日の検針員をあまり刺激しない方がいいですよ。それにしても、すご~く飲みたくなるのが、おしるこというのはリアルだなぁ。