水道検針日記(199X年8月5日)~マンションの管理人

降ったりやんだりを何回も繰り返しながらの中の検針だった。最初の現場はW町。ここは約200件あるなかの半分はマンションだ。マンションの9階から西の方角を見たら山々が、東にはビル群が見えた。高いところから街を眺めるとみんな小さくて箱庭みたいに見える。

今日は睡眠不足の上、昨日いろいろと面倒なことがあってすごくイライラしていたので、気を静めるために自動販売機でジュースを買って、公園で休憩した。子供連れのお母さんと70くらいの年寄りと営業のサラリーマンみたいな人しかいない。

ここのベンチで所在なげにぼーっとしてると「ものみの塔」の人がパンフレットがくれることがある。つらい内容だけど。大体、この手の保守党系の宗教団体の教えでは結婚までの純潔が強く説かれている。

2冊目はH町だ。ここもマンションが半分を占めるのだが、一つのマンションの管理人がいろいろとうるさい人で、外の階段を使うと廊下が汚れるからエレベーターを使えだの(でも僕は階段を使う。こっちの方が都合がいいから)、メーターボックスのノブがちゃんと下に降りてなかったとか、メーターの蓋が閉まってないだの(半分近く開けてる)非常にうるさい。

でも検針の仕事で管理人に嫌われるといろいろ不都合もあるのでこちらが下手にでなければならない。マンションの管理人は定年退職した老人が多い。彼らにオートロックを開けてもらったり、カギを借りたり、新しい入居者の名前を聞いたりする。

f:id:m518994:20210316202951p:plainいい人は、こちらが恐縮してしまうほど親切で気持ち良く応対してくれるが、そうでない人もたまにいる。どこかの大学の社会学か何かの先生が「管理人論」を書いたら是非読んでみたいと思う。そんなもん書く人いないかな、やっぱり。