水道検針日記(199Y年12月22日)~お年玉ゲット

これが今月4回目の検針日記だ。「最近あんまり更新してないね」というようなことは、何回か言われたことがあるが、まぁ、要するにあんまり気が乗らないのだ。それに11月はずいぶん頑張って更新したしね。先月はやり過ぎたのかもしれない。

ところで、今日は今年最後の検針だ。今日は件数が180件あまりと非常に少ないため11時半に出勤。初めに国道沿いのマンション(全70戸くらい)の検針をして、それからその近くにある、昨日検針した公団住宅みたいなマンション(全約260戸のところ、僕の担当は半数の130戸)の再調査を終え、E町の検針。

合計110件あまり。ここは静かな住宅街で、比較的アパートも多く検針にするには素直な地域だ。しかし、ここいら近辺には送電線の大きな鉄塔がいくつかあって、中には鉄塔から2,3mしか離れていない家も数件あるので、電磁波のことを考えると毎回、こんなとこに住んで大丈夫かいなと思う。

電磁波といっても強弱の問題があるのだろうが、電線を流れる電流の量を想像すると、PHSとか携帯電話なんかのアンテナみたいなものとは全然比較にならないのではないかと推測する。一軒、本当に鉄塔のすぐ横にある家で、毎回インターホンで家人を呼んで木戸を開けてもらうところがあって、今まで何回か「こういうとこに住んで不安はないんですか」とか「電磁波のことを知ってますか」と質問をしたくて喉元まで出掛かったことがある。

でも余計なことかと思って言えなかった。多分、送電線は体に良くはないモノだというぐらいは理解しているはずだし、現実問題として、不確実な予測を基にしてせっかく建てた家から出るというのは心理的にかなり困難だろう。

それに毎日の日常の事柄となると、不安や恐怖などの感覚を、「そんなの気にしても仕方ないよ」と根拠らしい根拠もなく遮断して意識の外に追いやる傾向が人間にはあるし。

確か最近のエディ・マーフィーの映画で、下院議員になった主人公が、送電線の下にある学校の生徒に白血病などの病気が多発しているから、移動させようという案をだしたが、そんなことをすると損害賠償訴訟も起こるし、学校などの移動費用のため電気代は数倍に跳ね上がるし、地域一帯の不動産相場が暴落するので、そんなことはできないという別の議員が圧力をかけるシーンがあった。考えてみたら、都内だけでも送電線の下にある住宅は何千何万戸もあるだろう。事情は日本だって同じだ。なんだか話が全然関係のない方面にそれたなぁ。


今日は特筆すべきいいことがあった。それはSさんという一家のばあさんからお年玉をもらったのだ。金額はたったの1000円だが、人が僕にこういうものをくれるということ事態が嬉しい。

以前、1年以上前に、僕はここの家の漏水を発見したことがあって、その次の回に行ったらデパートにもテナントとして入っているようなベルギーの会社のチョコの詰め合わせをもらったことがある。お客さんが検針員にあげるものなんて、そんな大したものがあるはずはないけれど、一番嬉しいのはその気持ちだ。

 

E町の検針を終えた後、昨日の再調査をやって帰社。今日はそれで全部終わりではなく、忘年会があった。

検針員には会社から補助金が出ているので、参加費は千円。宴会というと、前回の暑気払で大荒れしたZ氏が思い出される。前回、彼は酒を飲んで赤らんだ顔で多くの検針員にからんだのだ。

僕はよくわからない理由で胸倉を捉まれ、逃げようとしたら軽く尻を蹴られた。困った人である。実は、このZ氏が恐くて忘年会を欠席した人もいるくらいなのだ。でも、今回は前回と比べたら全然大人しくて誰にもからんでなかった。よかった。今日の席には、ちょうど一年前に出産で退職した事務のMさんや他の営業所に移動した社員の人も何人か来ていた。

その中に、2月まで所長をしていたL氏がいて少し話をした。僕は、彼が大誤検針の責任をとって飛ばされたのだとばかり思っていたのだが、本人が言うにはそんなことはないらしい。まぁ、真偽のほどは不明だが。なんでもL氏は、現在現在の職場の方で、料金徴収をやっているとのこと。繁華街に行くとチンピラに脅されて困ると言っていた。「まぁ、いろんな経験ができて、これはこれでよかったよ」と言っていた。転んでもただでは起きない逞しい人だ。