水道検針日記(199Y年5月8日)~ピー音ストレス

昨日、今日と蒸し暑い日が続いていますね。昨日なんて28度くらいまで上がったんじゃないか。これから段々暑くなっていくと思うと気が重い。

30度を越えると、冬なら一気にできてしまう件数も、途中でジュース休憩を何回かとらないともたなくなる。去年はよくあんなに暑い中仕事ができたなと思う。どういうわけか、今月は仕事がとてもきつく感じられる。

今日の現場はB町とK町。合計330件。まあ、大体特になんということもなく終了したんだけど、昨日、今日とピー音が非常に多い。「ピー音」というのは、前回と比べて4割以上使用量の増減がある場合になる音だ。ピーが鳴ると、原因を聴取するか、できない場合はメモを入れて変化があったら連絡してもらうことになる。

ちなみに減の場合は聴取しなくていいことになっている。メモはメンドウだから、僕は入れたり入れなかったりなんだけど、仮に原因を聴取できた時でも、翌日再調査に行かなくてはならない。

これがね、一日に7,8件ならいいですよ。昨日や今日なんて、20件くらいあったんだから。読者の方は、この数字の意味が今一つわからないだろうけれど、ある作業がいつもの倍以上の手間がかかるとしたら、すごくイライラしてくるでしょ?

ピーが鳴ったら、メモに<例>23(これは前回の水量)-43(今回水量)LA(リッター針不動の意味)と書いて、聴取できたら「孫が遊びにきていた(じいさん)」とか「子供が産まれた(主婦)」とか書いて、聴取できなかったら、メモに冊番号と検針番号と水量を書かなければならない。

特にこの季節は移動の余韻が覚めやらぬ時期で、水道の登録をしないでそのまま使ってしまう家が非常に多い。無断使用の家とピー音と蒸し暑さでとても不快指数が高まる。何かにこの怒りをぶつけたくなるよね。

最近、会社の掲示板に、2件続けて転んでハンディの画面を壊す事故が起きたので、検針員の皆さん気をつけてください、ということが書かれていたけど、これはかなり怪しいと思う。僕はこれを読んだときにすぐにピンときた。

たとえ転んだって、ハンディはそんなに簡単に壊れないようにできているし、機械が動かなくなることはあるだろうけど、よりによってモニターだけが割れるようなことは構造上考えにくいのだ。

僕が推理するに、無届けの入居者とピー音のストレスで、瞬間的にキレて怒りを爆発させてハンディを何かに叩き付けたのだと思う。その気持ちは検針員だったら誰だってわかるはずだ。

これからどんどん蒸し暑くなって、さらに雨も多くなる。僕がいる事業所は、去年大きな誤針があったから、その影響でまだメモ制度を義務にしてるけど、個人的な希望を言えば、もうこれはやめて欲しい。ここには書かないけど、去年の労働強化でいろいろと検針員の負担が増えた。

会社側の意図も理解できるが、もうそろそろいいんじゃないかという気がするし、作業に慣れたとは言っても、検針員の精神的ストレスは高まる傾向にあるのではないかと個人的に感じる。