水道検針日記(199Y年8月7日)~同僚が真夏に作業着を一ヶ月換えてない件

今週は中休みもなく、暑い中、週に五日働いてしんどい一週間だった。昨日は、夕方4時近くに検針を済ませて再調査にH町のマンションに入ったら、灰色の雲からついにものすごい勢いで雨が降り始めた。東南アジアのスコールとはこんな感じなのだろうと思った。

再調査を終えてマンションの入り口で雨脚が弱まるのを待っていたのだが、一向にその気配がない。H町は全地域の中で事務所から最も遠い場所で、傘をさして自転車で帰るとズブ濡れ間違いなしなので、自転車をスーパーの前に置いて、電車で会社まで帰た。

事務所に戻ると、パンツまでびっしょりの人が何人かいた。カッパを取りに戻る間に濡れてしまうので、やけになって猛烈な夕立の中、検針していたらしい。

それで今日は電車でH町まで行って自転車をとって初めにO町で149件。それから昨日検針した分の再調査。それからU町221件。

昼過ぎから雲がとれて日差しが照り始めた。アスファルトの道路にはっきり黒い影が映ってようやく本格的な夏になったようだ。

セミの鳴き声も元気。確かに暑かったけれど、湿度が比較的低かったのと時折風が吹いたので、途中でジュースを飲むことなく早足で淡々と検針をして、なんと221件を2時間で終えてしまった。1時間110件のペースである。

通常の場合、僕はマンションがない平場は80件くらいしかできないのだが、どういうわけか今日は体がよく動いた。これは平場とはいえ、メーターが6~8個かたまっているアパートが半分以上を占めていたというのも大きい。

夏は苦手といいながら体調がいい。昨日は疲れてすぐに寝たのがよかったのか。今日も検針しながら何回かおばさんから「暑い中大変だねぇ」と言われたのだが(残念ながらホントにおばさんしか言ってくれない)、考えてみたら、僕が高校生の時は、陸上部で毎日午前9時から夏休みは何キロも苦しい想いをしてグランドを走り回っていたんだよね。しかも無給で。

今思えばよくあんなことができたものだ。真夏にはあはあ言いながら野球部員が打つ球をよけつつ先輩の後を追いかけていた。あれを思えば検針なんてなんでもない。当時はしんどいばかりで当然つらかったが、今では懐かしい。もう二度とやりたくないけどね。

ところで、会社に戻って更衣室で話をしたところ、先日僕と焼き鳥屋に行った荒川さん(仮名)は、この暑い中、一ヶ月以上検針用作業シャツを更えていないことが判明。毎日汗かくのにねー。「ねえ、シャツ更えてる?」って訊かれたけど、そんなの人として当たり前でしょうが……。毎日同じの着てて臭くないのかなぁ。