水道検針日記(199X年7月3日)~夏の検針はキツイ

今日の初めの冊(100~250件くらいを一つにまとめたもの)は、H町4丁目。私鉄沿線ののどかな住宅街だ。朝からすごく暑かったけど、マンションもあるし車もあまり通らず、比較的楽なところなので130件を1時間半で終わった。パンツいっちょうのオヤジがでてきて「暑いのに大変だねえ」と声をかけてくれたので、「なにか冷たいジュースでもくれないかな」と期待したが「はーい、ご苦労さん」だけで終わってしまった。別にいいんだけど。

昼休みを川沿いの公園でとった。この公園は川沿いにかなり広くとられていて、緑が濃くて日陰が涼しいとても素晴らしいところだ。自転車をベンチの脇にとめ、セブンイレブンで買ってきた具だくさんサンドと赤飯おにぎりを食べた。あんまりうまくない。

気温は30℃を越えていたと思うけど、木陰はいい風が吹いてとても爽やかで気持ちがいい。僕と同じように昼休みをとる建築現場の人も気持ちよさそうに昼寝していた。2、3歳の子を連れたお母さんたちの集団がテーブルで歓談していた。「ダンナは自分の親だからいいんだろうけどさー」だとか。平日の昼間に団地や住宅街で仕事をしていると、こういうお母さんたちからよく警戒の目で見られている気がするので(被害妄想かなあ)、彼女たちの前ではいつも多少緊張してしまう。1時間休憩。

次の冊はK町南4丁目。なんで冊と冊の間がこんなに離れて組まれているのか謎だ。自転車に乗るのは好きだが。午後に入って日差しは益々きつくなってきたようで時々体がふらつく。今日の最高気温が33℃だからね。すでに真夏並みの暑さだ。50件検針するごとにジュースを飲んで休憩した。そうじゃないと倒れてしまいそうだ。

今日は天候が厳しかったかわりに運が良くて、寿司屋のおじさんもちゃんといてくれてメーターがある倉庫をこころよく開けてくれたし、板金屋のばあさんも在宅中で1階貸し店舗の鍵を開けてくれたし、最後の焼き鳥やと飲み屋2軒のメーターがあるブロック塀と店舗の間にはゴミバケツ一つしか置いてなかった。ラッキー。この仕事を始めたばかりの頃は、こういう汚くて狭くてわけのわからないゴミが散乱する現場に一々唖然としたり、憤ったり気分が暗くなったものだが、1年以上たった今では大体平気になった。

暑さと疲労で頭がちょっとぼんやりしつつ会社に戻り、簡単な書類の整理、メモリーカードの提出。クーラーは嫌いだけど、こういう時はいいな。スポーツ新聞を見ながら、社員のSさんとサッカートーク。日本はワールドカップ2次予選を突破できるだろうか?

社員と検針員
検針員は(確か)請負仕事のためいわゆる社員ではない。検針員の給与体系は完全歩合。