水道検針日記(199X年11月19日)~検針しているとプレゼントもらえることが

今日の検針の現場は、N町とK町。合計270件くらい。金曜日の450件と比べたら、もー圧倒的に楽だ。月の後半からは件数が減って楽になる。

N町は公団かなんかの団地で、検針するには楽な所だ。家に入るのに門もないし、犬もいない、家がつながっているので、そんなに歩かなくてもいい。団地といっても、半分が2階建てで、比較的緑が多い感じの良いもので、半分が3階建てのいわゆる普通の(築30年くらいか?)団地。

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でも、広場がけっこう広くて環境的にはこの市の中ではかなりいいところだろう。2階建ての方は、庭に増築したり、家の中を大幅に作り替えたりして、住人の自由がきくみたい。

団地といっても、分譲なのかな? 3階建ての方には若い夫婦が多いようで、ドアの前にはよく子供のおもちゃが置かれている。お母さんたちと一緒に子供たちも広場で遊んでいる。

こういうとこで、4割以上の「増」や「減」があって、「何か変わったことありましたか?」と訊くと、大体、子供を産んだとか夏は実家の方に留守にしていたというのが多い。子供を産んだとか、孫が遊びに来ていたというのは、明るくていい。水道代が倍になっても、そういう理由だと「まあ、困ったわねー」と言いながら主婦たちの顔はほころんでいる。

これがですね、「減」の場合は誰か死んでしまったということがたまにあって、こういう時はこっちもね、きかなきゃ良かったって思うよね。老人だったらまだいいんだけど、そろそろ老年期に入るという時期に配偶者を亡くしたという場合は、残された方はかなりこたえるらしい。だから、「減」の場合は原因を聴取しなくていいことになっている。

K町の宝「来々軒」でカツ丼(390円)を食べ、後半の冊K町を検針。ここはやや駅から離れていることもあって比較的静かな住宅街。

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冊の真ん中くらいにいつも門が閉まっている家があって、インタホンで来意を告げると、かつらをつけたおばあさんが出てくる。右手にカギを持って、左手を背中の方に回している。

もう10回近く来ているからわかっているのだが、このおばあさんは検針が終わると「はい、これ」と言ってタバコをくれる。僕が、タバコは吸わないからいらないと言っても無理矢理くれる。まぁ、気持ちは嬉しい。

こういう家って他にはない。同僚の検針員に聞くと、行くたびに寿司をとって(!)待っていてくれる家や、2000円くらいの商品券(それがない場合は現金!)をくれる家があるらしい。ウーム。なにもそこまで……。

仕事を全部終え、会社を出たのは3時頃だった。今日は間違いなく楽な日だった。